合同新聞朝刊にてコラム掲載しています【第1回】

大分合同新聞の朝刊にて、当院がとりあげられています。
全10回コラムで泌尿器の病気について解説していきます。ぜひ紙面でもご覧ください。

【第1回】 前立腺肥大で排尿トラブル

(大分合同新聞 2023年2月20日 朝刊掲載)

男性で
①尿が出にくい
②尿の勢いがない
③残尿感がある
④夜何度もトイレに起きてよく眠れない
⑤仕事や会議中にすぐトイレに行きたくなる
⑥トイレのために長時間の外出を避けている
という症状がある方はいませんか。それらを「年のせいだろう」と諦めてはいませんか?
もしかしたら前立腺肥大症が原因かもしれません。

前立腺は男性だけにある臓器です。膀胱から入道に続く部分に取り囲むようにしてあり、精液の一部である前立腺液を分泌します。
前立腺肥大症とは、前立腺が肥大して尿道を圧迫することで前述のようなさまざまな症状を引き起こす疾患です。

前立腺の肥大は30代から始まるといわれていて、成人男性での前立腺の大きさは20ml以下といわれています。症状の大小はあるものの、中央年以降では80~90%に肥大があります。

排尿がスムーズにできないと日々の生活で困るだけでなく、頻用や排尿時痛、残尿感、発熱等の前立腺炎や膀胱炎、ときには腎盂炎(じんうえん)といった尿路感染症、それに血尿や尿路結石を発症し、さらに暴行や腎臓の機能が悪化することもあります。

症状が軽度の場合は薬物治療で改善できますが、それでも生活の質(QOL)が低下する場合は手術が必要となります。

手術には入道から内視鏡を入れて電気メスで前立腺を切除する「経尿道的前立腺切除術(TUR-P)」が確立していますが、出血などのトラブルがあり、近年ではレーザーで前立腺を溶かす(蒸散)、くり抜く(核出)手術が普及しています。

体に負担の小さい(超低侵襲)手術とされ、欧米で普及している、前立腺をステンレス製の小さなインプラント(充填(じゅうてん)物)でつり上げることで尿道を広げる「経尿道的尿道つり上げ術」と、高温の水蒸気を注入することで次第に前立腺を小さくする「経尿道的水蒸気治療」が、昨年から国内でも受けられるようになりました。

大分泌尿器科病院では、つり上げ術を九州初、水蒸気治療を国内で初めて導入しています。
どちらも治療時間10~15分と短く、短期間の入院で受けられます。
①血液の流れを良くする薬などを内服している
②全身状態が悪い
③高齢
④長期間の入院は困難
などの理由で手術が難しいとされていた患者さんにも施術できるのが特徴です。

排尿というデリケートな話題だけに我慢をしすぎて悪化することがあります。
早めの泌尿器科への受診をお勧めします。

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