合同新聞朝刊にてコラム掲載しています【第10回】

大分合同新聞の朝刊にて、当院がとりあげられています。
全10回コラムで泌尿器の病気について解説していきます。ぜひ紙面でもご覧ください。

【第10回】症状いろいろ男性更年期障害

(大分合同新聞 2023年5月29日 朝刊掲載)

男性で年を重ねるにつれて、「なんだか体調が良くない」「何かうまくいかない」「今までと違う」「イライラする」と感じることはありませんか?病院へ行っても「異常なし」、精神科や心療内科では「うつ病、自律神経失調症」と言われ、納得できないこともあるのではないでしょうか。

このような症状の原因に「男性更年期障害」の可能性があります。病名は「加齢男性性腺機能低下症」(LOH症候群)といい、国内で600万人が悩んでいるとされます。

症状は、疲労感や倦怠感、性欲低下、勃起障害(ED)、不眠、肩凝りなどの身体的症状、気力の衰えや手中力の低下、イライラ、抑うつなどの精神症状など多岐にわたります。うつ病や自律神経失調症に似ていて、適切な治療をしなければ、改善しないばかりか悪化することがあります。

原因は男性ホルモンの値が低いことが原因で起こります。男性ホルモンが減少すると、不安が強くなり、やる気や記憶力、性欲の低下が著しくなる他、睡眠障害が現れ、筋力や骨も弱くなります。

発症にはストレスが大きく関わっていることが分かってきています。強いストレスが長時間続くと、精巣に男性ホルモンの分泌を促す脳からの出す指令が出なくなり、減少するとみられています。

男性ホルモンには肥満を抑える効果もあり、減少に伴って内臓脂肪が増えて生活習慣病リスクも高くなるとされています。女性の更年期障害は多くの場合、時間とともに回復しますが、男性の場合、待っていても回復しないのが特徴です。

診察は、問診の後、男性ホルモンやPSA(前立腺腫瘍マーカー)などの項目を測定し、必要に応じてエコー(超音波)や心電図、睡眠時無呼吸症候群の有無を調べます。

治療は運動や筋トレで男性ホルモンの分泌を促す生活療法や漢方薬の他、男性ホルモン補充療法があります。症状に心当たりのある男性は、メンズヘルスの専門外来がある泌尿器科の受診をお勧めします。

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