合同新聞朝刊にてコラム掲載しています【第4回】

大分合同新聞の朝刊にて、当院がとりあげられています。
全10回コラムで泌尿器の病気について解説していきます。ぜひ紙面でもご覧ください。

【第4回】生活習慣病と関連深い尿路結石

(大分合同新聞 2023年3月20日 朝刊掲載)

尿に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの成分が過飽和状態になって結晶化した結石が、尿の通り道の腎臓や尿管、膀胱、尿道にあるのを尿路結石といいます。夏の暑い季節に汗をたくさんかいたり、水の接種不足で脱水傾向になったりすると尿が濃くなり結石ができやすいです。生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)とも深く関連があります。
結石といえば激しい腰痛や腹痛があり、血尿を伴うと思われるかもしれませんが、症状がない場合も多いです。最近では健康診断や人間ドッグでたまたま発見される場合も多くみられます。

1965年から10年ごとに実施されている国内の尿路結石症の疫学調査によれば、患者数は年々増加していて、年間罹患率(1年間にこの病気にかかる割合)は2015年の時点で、1965年の3倍となっています。男女比はほぼ5対2で男性に多くみられますが、近年は女性の比率が増加傾向にあります。

腎臓や尿管に結石があると診断された場合は、まず泌尿器科医を受診することをお勧めします。翔y増がなければ様子を見てもいいという意見もありますが、放置すると、大きな問題になる場合があります。

尿路結石の中には、比較的症状が出やすく、腎臓の機能に影響するため治療が必要になってくる場合があるので早期の治療が望ましいです。

治療法は
①医師が自然に排出されるのを待つ「待機治療、薬物療法」
②体外から衝撃波(音波)を当て結石を割って自然に排出されるのを待つ「対外衝撃波結石砕石術(ESWL)」
③細いカメラ、内視鏡を使って結石を見ながらレーザーで割って取り出す「経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL)」
④背中から腎臓に小さな穴をあけて、そこからカメラを入れて石を砕く「経皮的腎結石砕石術(PNL)」
があります。

尿路結石はよく聞く病気ですが、①~④の治療ができる施設は限られています。結石治療は医療機器の技術革新が目覚ましく、最新治療を受けるには経験豊富な意思がいる施設をお勧めします。

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