合同新聞朝刊にてコラム掲載しています【第2回】

大分合同新聞の朝刊にて、当院がとりあげられています。
全10回コラムで泌尿器の病気について解説していきます。ぜひ紙面でもご覧ください。

【第2回】 早期発見が重要 前立腺がん

(大分合同新聞 2023年2月27日 朝刊掲載)

前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むようにある男性だけの臓器です。精液の一部の前立腺液を分泌するのが主な役割で、射精や排尿コントロールに関わっています。前立腺の病気として、前立腺肥大症とともに多いのが前立腺がんです。

初期の多くは、ほとんど自覚症状がなく、徐々に排尿困難、頻尿といった前立腺肥大症と同じ症状となることがあります。進行すると、排尿に関する症状に加えて、血尿や骨に転移することによる腰痛が見られます。

早期発見が重要で、血液検査での指標の一つ「PSA値」を調べることが効果的とされています。PSAは、がんや炎症で前立腺組織が壊れると、血液中に漏れ出す物質です。基準値より高い方は、前立腺がんの可能性があります。

PSA値が高い方は、MRI検査やエコー(超音波)検査、直腸診などの検査をします。がんが疑われる場合は、エコーで画像を確認しながら、前立腺の組織を採取する針生検で確定診断をします。診断後は、進行度を調べるため、CT検査をします。また骨に転移しやすいので「骨シンチグラム」で転移の有無を調べることもあります。

治療法は、がんが前立腺にとどまっている場合は、主に手術療法、放射線療法、ホルモン療法(男性ホルモンを抑えるお薬)の三つの選択肢があります。がんの広がりや悪性度に応じてこれらの治療法を併用します。

進行して周囲のリンパ節、骨や肺などの臓器に転移している状態(転移性前立腺がん)だと根治は難しくなります。手術や放射線治療が適応ではなくなり、ホルモン療法になります。ホルモン療法が効かなくなると、抗がん剤を使用することもあります。

早期であれば、治療法の選択肢がありますが、進行すると治療法も限定的となります。早期発見が大事ですので、50歳以上の男性、また排尿に問題がある方は、検診や泌尿器科を受診してください。

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